親の介護知識

失敗しない親の老人ホーム選び方とは?入居後の後悔や悲劇を避ける方法

miroku

親の老人ホーム探しは、多くの家族が「初めての経験」であり、感情的にも経済的にも大きな決断です。

焦って決めてしまうと、あとで「こんなはずじゃなかった…」という後悔につながることがあります。

「失敗しない親の老人ホーム選び方とは?入居後の後悔や悲劇を避ける方法」では、「失敗しないための注意点」「老人ホームの探し方・選び方」「メリット・デメリット」「よくある失敗談」「入居後の悲劇を防ぐ方法」を、わかりやすく整理してお伝えします。

まず最初に知っておきたい「心構え」

老人ホーム探し・選ぶ方は、「家族の安心」と「親の尊厳」を守る選択です。

「もう親の在宅介護が限界だから、どこでもいいから入れよう」という気持ちになるのは当然ですが、焦りは一番の落とし穴です。

まず、「何を大切にしたいか?」を家族で話し合いましょう。

何を大切にしたいか?

・親の性格や生活リズムをできるだけ保ちたい

・医療的なケアを優先したい

・家族が面会しやすい場所がいい

  上記の「何を大切にしたいか?」の優先順位を明確にしておくことで、失敗や後悔を防ぐ第一歩となります。

老人ホームを探す前に整理すべき4つのポイント

親の老人ホームを探す前に整理すべき4つのポイントがあります。

ポイント項目考えること
親の状態介護度・認知症の有無・医療的ケアの必要性
費用入居金・月額費用・追加費用を合わせていくらまで出せるか?
立地家族が面会しやすい場所か、病院との距離
性格・希望穏やかな環境?人との交流が多い場所?食事重視?

上記について整理をしておくと、「親にどんな施設が合うか?」が見えやすくなります。

老人ホームの主な種類と特徴(メリット・デメリット)

老人ホームの主な種類と特徴(メリット・デメリット)についても、しっかり知っておきましょう。

種類特徴メリットデメリット
特別養護老人ホーム(特養)公的施設、要介護3以上で入所可費用が安く介護体制が安定待機期間が長い(数か月~1年以上)
介護老人保健施設(老健)医療とリハビリ中心、自宅復帰を目指す医師が常駐、医療面が安心長期入居はできない(原則3~6か月)
有料老人ホーム民間施設、サービス・価格が多様選択肢が多く快適な生活質の差が大きく費用が高め
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)自立~軽介護向け自由度が高く自分らしい生活重度介護になると対応できない
グループホーム認知症高齢者が少人数で共同生活家庭的で穏やか入居条件が限られる(認知症あり、要支援2以上)

具体的な老人ホームの探し方・選び方

具体的に、親の老人ホームの探し方・選び方を4つのステップでお伝えしていきます。

まずは相談

・ケアマネージャー(ケアマネ):介護保険サービスを受けている場合

・地域包括支援センター(包括):自治体の無料相談窓口

・民間の老人ホーム紹介センター:希望条件で候補を出してくれる

ただし、紹介センターは「紹介料を施設からもらう」仕組みなので、紹介された施設が「本当に親の介護場所として合っているか?」を自分でも確認することが大切です。

条件に合う施設を3~5か所ピックアップ

・家族の通いやすさ

・予算

・医療対応の範囲(酸素・インスリン・点滴など)

・看取り対応(最期までいられるか)

必ずあなたの目で老人ホームを見学する(ここが最大のポイント!)

老人ホーム見学時のチェックポイントは、以下になります。

見るポイントチェック内容 
職員の対応入居者に笑顔で声をかけているか?雑に扱っていないか?
清潔さ廊下・トイレ・食堂が清潔か?においは気にならないか?
雰囲気入居者の表情が穏やかか?居心地がよさそうか?
食事事を見せてもらえるか?柔らかさや味の説明があるか?
夜間体制夜勤の人数・急変時の対応を聞く
退去条件医療行為が増えた時などに「退去させられないか」確認する
質問の例

・体調を崩したときの対応はどうなりますか?

・看取りまで対応できますか?

・職員の平均勤続年数はどれくらいですか?

老人ホームの契約前に、この項目は必ず確認する

・契約書の中の追加料金・退去条件

・介護度が上がった場合の費用変動

・外部医療機関との連携体制

・面会や外出のルール(コロナ後は制限がある施設もある)

上記が親の老人ホームの探し方・選び方4つのステップになります。

親の老人ホーム契約・入居後によくある「失敗談」と原因

老人ホームと契約後や入居後によくある「失敗談」と原因についても知っておきましょう。

失敗談原因防ぐ方法
見学せずに契約したら、職員の態度が冷たかった紹介センターの情報だけで決めた必ず自分の目で見学し、雰囲気を確認
思ったより費用が高くなった 追加費用(おむつ代・医療費・理美容代)を確認していなかった月額の総費用(全部込み)で比較する 
職員が頻繁に変わり、親が不安定になったスタッフの入れ替わりが激しい施設だった見学時に「職員の勤続年数」を質問
医療対応ができず転院を迫られた医療体制を確認していなかった医療対応範囲を事前に書面で確認

親の老人ホーム入居後によくある悲劇と防ぐ方法

親が老人ホームに入居したからといって、実は安心できないのです。

時々、老人ホーム内での悲劇のニュースを見たりしますよね。

そこで、親の老人ホーム入居後によくある「悲劇」と防ぐ方法についても、お伝えいたします。

よくある親の老人ホーム入居後のトラブル

ケース1:親が施設に馴染めず、うつ状態に…

理由:急に環境が変わり、人間関係が築けない。

対策:入居初期は家族が頻繁に顔を出し、安心させる。

ケース2:施設任せで放置状態に…

理由:家族が「もう任せた」と関わりを減らしてしまう。

対策:定期的に面会・職員との情報共有を続ける。

ケース3:介護トラブル・虐待を見抜けなかった

理由:職員不足・教育不足による粗雑な対応。

対策:定期的に「親本人の声」を聞く。

「身体にあざ」「服が汚れている」「表情が暗い」などの変化に注意する。

違和感を感じたら、すぐに施設長か地域包括支援センター(包括)に相談する。

親の老人ホーム入居後の悲劇を防ぐための3つの習慣

親を老人ホームに入居したからと言って、あなたや家族の親の介護が終わるわけではありません。

あなたやあなたの家族は、老人ホームに入居した親が悲劇に遭わないように注意していく必要があります。

親の老人ホーム入居後の悲劇を防ぐための3つの習慣

習慣1:「任せきり」にしないで見守る姿勢を保つ

職員と家族が協力しあう関係を築くことが安心につながります。

習慣2:職員と良い関係を築く

挨拶や感謝の一言で、スタッフのモチベーションも上がり、親への対応も良くなることが多いです。

習慣3:月1回は「親の変化」を直接確認

表情、服装、部屋の状態、体の清潔さをチェックすることで、早期の異変に気づけます。

まとめ:失敗しない親の老人ホーム探し方・選び方の黄金ルール

「失敗しない親の老人ホーム選び方とは?入居後の後悔や悲劇を避ける方法」について、お伝えしてきました。

なんとなくでも、理解してもらえたなら幸いです。

では、「失敗しない親の老人ホーム探し方・選び方の黄金ルール」について、おさらいとともにまとめておきましょう。

失敗しない親の老人ホーム探し方・選び方の黄金ルール

【ルール1】焦って決めない。必ず3か所以上見学する。

【ルール2】契約前に「追加費用」「退去条件」「医療体制」を確認する。

【ルール3】職員の対応・施設の雰囲気を自分の目で確かめる。

【ルール4】入居後も定期的に面会し、親と施設両方と関わりを保つ。

【ルール5】「完璧な施設」より、「親に合う施設」を選ぶ。

最後に、親の老人ホーム探しは、親を手放すことではなく、親の生活を家族だけでなくチームで守るための選択なのです。

親の老人ホーム探し方・選び方で失敗しないコツは、「情報」「観察」「信頼関係」と入居後も「見守りの目」を持ち続けることです。

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みろく
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2025年6月5日から母親と二人体制で、要介護3(ほぼ寝たきり)の父親を在宅介護している40代独身男性。
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